小児歯科

更新日:2018年11月12

ピクチャ 4

[小児(乳歯)の虫歯治療]

小児(乳歯)の虫歯は、基本的には成人(永久歯)の虫歯と
同じ治療法です。
但し、乳歯の虫歯は、
  ・歯質の問題や歯が小さいことによって詰め物が取れやすい
  ・唾液が多い
  ・永久歯への悪影響を考慮する必要がある
  ・歯並びへの悪影響を考慮する必要がある
などの特徴があります。
小児歯科学では、子どもは小さい大人ではないと考えて、
小児特有の心身状態を把握して治療することが重要と言われて
います。
しかし、虫歯治療の技術自体は大人も子どもも基本的に同じです。

歯の生える順番と時 

<乳歯の生える順番と時期> 

<上顎>
1番目
の歯→2番目→4番目→3番目→5番目
<下顎>
1番目
の歯→2番目→4番目→3番目→5番目

<上顎>
1番目の歯(A) 平均7か月     5か月〜9か月
2番目の歯(B) 平均1歳1か月   9か月〜1歳3か月
3番目の歯(C) 平均2歳1か月   1歳7か月〜2歳3か月
4番目の歯(D) 平均1歳7か月   1歳4か月〜1歳9か月
5番目の歯(E)  平均2歳7か月   2歳2か月〜2歳9か月

<下顎>
1番目の歯(A) 平均5か月     4か月〜7か月
2番目の歯(B) 平均11か月     7か月〜1歳1か月
3番目の歯(C)
 平均1歳11か月   1歳5か月〜2歳1か月
4番目の歯(D)
 平均1歳5か月   1歳2か月〜1歳7か月
5番目の歯(E)
 平均2歳5か月   2歳〜2歳7か



<永久歯の生える順番と時期>  

<上顎>
1番目/6番目→2番目→4番目→5番目→3番目→7番目
<下顎>
1番目/6番目→2番目→3番目→4番目→5番目→7番目

<上顎>
7番目の歯
(第2大臼歯)除くと、3番目の歯(犬歯=
糸切り歯)が最後に萌出します。
ですから、叢生(凹凸)の歯並びの場合には、3番目の歯が
最も影響を受けやすくて「八重歯」になります。

<下顎>
7番目の歯(第2大臼歯)を除くと、5番目の歯(第2小臼歯)が
最後に萌出します。
ですから、叢生(凹凸)の歯並びの場合には、5番目の歯が
最も影響を受けやすく、内側(舌側)へ転位します。
八重歯ほど目立たないので気付かれないことが多いです。

<上顎>
1番目
の歯  平均6歳  5〜7歳
2番目
の歯  平均7歳  6〜8歳
3番目
の歯  平均10歳  9〜11歳
4番目
の歯  平均8歳  7〜9歳
5番目
の歯  平均9歳  8〜10歳
6番目
の歯  平均6歳  5〜7歳
7番目
の歯  平均12歳  10〜13歳

<下顎>
1番目の歯  男子6歳/女子5歳  5〜7歳
2番目の歯  平均7歳       6〜8歳
3番目の歯  平均8歳       9〜11歳
4番目の歯  平均9歳       8〜10歳
5番目の歯  平均10歳       9〜11歳
6番目の歯  平均6歳       5〜7歳
7番目の歯  平均12歳       10〜13歳

小児の酸蝕歯 

当院の症例では
  ・スポーツドリンク
  ・梅干し好き
  ・柑橘類好き
による酸蝕歯が多いです。
治療は、酸蝕症によって凹んだ部分を埋め(詰め)ます。
しかし、酸蝕歯は正常なエナメル質や象牙質の構造をしていない
ために、詰め物が取れやすい傾向があります。
乳歯の場合には、
  (1)痛みがあれば痛みを取る
  (2)噛み合わせが悪化しないようにする
  (3)歯並びが悪化しないようにする
を優先します。
永久歯の場合には、大人の酸蝕歯と同じ治療をします。




[エナメル質形成不全
症]  

エナメル質形成不全症の症状は、
  ・
歯の表面(エナメル質)に凹みがある
  歯の表面が黄色や茶色がかっている
  歯の表面に白斑がある
などです。
発生頻度は、教科書的には8000人に1人位とされていますが、
1歳6か月健診や3歳児健診での経験からすると、もう少し
多いような気がします。
ただ、乳歯のエナメル質形成不全は、永久歯に比べて少ないのは
確かです。


<治療> 
エナメル質形成不全部分は、歯質が極めて脆い(軟らかい)ので、
の部分を削合して詰める(埋める)治療をします。



遺伝性エナメル質形成不全症>
   (歯牙質形成不全)

  ・常染色体優性遺伝
  ・常染色体劣性遺伝
  ・X連鎖優性遺伝
の遺伝形式が報告されています。
発生頻度は1万人〜2万人に1人です。


環境要因によるエナメル質形成不全症>
乳歯のエナメル質形成不全症に最も影響を与えるのは母体の
栄養状態です。
乳歯のエナメル質は胎生5か月から生後6か月にかけて
つくられます。
永久歯のエナメル質は胎生7か月から生後6歳にかけて
つくられます。
母親の栄養状態に加えて、子ども自身の栄養状態も影響します。
また、乳歯の虫歯が大きいと炎症の影響で、その乳歯の下にある
永久歯がエナメル質形成不全になることがあります。
外傷歯が影響することもあります。
さらに、薬を長期間飲む場合、副作用の可能性もあります。

ランパントカリエス 

虫歯が突然に発現し多数の歯が同時に罹患する状態をランパント
カリエスと言います。

齲窩虫歯の穴が急速に深部へ進行する傾向があります。
唾液の予防効果によって虫歯にかかりにくい下顎前歯までも罹患
します。
昭和40年代までは、非常に多くみられました。
栄養状態が悪かったのと、歯磨き習慣が定着していなかったから
です。
その後、徐々に減少しました。
栄養状態の改善と、歯磨き習慣が定着して行ったからです。
現在では珍しくなりました。
その中では、やせ型の女児に多いとされています。

萌出遅延(歯が生えるのが遅い)  

歯が
生えるのが、平均よりかなり遅い状態を歯牙萌出遅延と
呼びます。



<歯牙
萌出遅延とビタミンD欠乏 

歯牙萌出遅延の主原因は、母親の栄養障害と本人(小児)の
栄養障害とです。
特に関連している栄養素がビタミンDです。
NHKの「病の起源」の中の骨と皮膚の病」の回に登場します。
イギリスでは移民が増えています。
褐色の皮膚を持つ移民の場合、高緯度で日光が弱くて、さらに
曇天が多いイギリスでは、皮膚において充分量のビタミンDを
つくれません。
そのため、子ども達の中に、くる病や歯牙萌出遅延が増えています。
晴天が多い関東地方であれば、ビタミンD欠乏は起こらない
でしょうか?
実際に血液検査で調べてみれば、大人、小児を問わずに
ビタミンD欠乏は珍しくありません。
ビタミンDの原料はコレステロールです。
コレステロールが不足していれば、ビタミンDは生合成されません。
コレステロールは、
  ・脳をはじめ全身の神経細胞の絶縁物質
  ・60兆個〜100兆個ある細胞の細胞膜の構成成分
  ・各種ホルモンの原料
等の働きがあります。
成長期の子どもは、コレステロールが不足しやすい状況に
あります。

過剰歯 

過剰歯 とは、歯種によって決まっている数以上に存在する歯の
ことです。


<過去に存在しその後退化した歯の名残> 

(1)正中過剰歯
左右の中切歯の間に発生する。
元来、左右両側に3本ずつあった切歯(前歯)が左右2本ずつに
減る際に正中の左右1本ずつが失われた名残と考えられています。
切歯(前歯)の舌側(内側)にも見られます。
(2)第4大臼歯
第3大臼歯(親知らず)の後ろに発生します。
退化して失われた名残と考えられています。
(3)臼傍歯
大臼歯の外側に発生します。
(4)その他
通常存在する歯が二重に発生したと思われる物。
小臼歯部に多い。


<疫学> 

女性よりも男性に多い。

中心結節 

咬合面中央部に出現する、円錐状や棒状の小突起です。
好発部位は下顎第2小臼歯でです。
その他には、小臼歯、大臼歯、上顎側切歯に見られることが
あります。


<疫学>  
モンゴロイドの特徴と考えられています。
下顎第2小臼歯における出現率は1~4%とされます。


<破折>  
中心結節は萌出直後の咬合や咀嚼により破折することが
あります。
中心結節が大きな物では、結節内に歯髄(神経)があるために
露髄し、歯髄炎や根尖性歯周炎を引き起こすことがあります。

<予防>
破折を未然に防ぐためには接着性レジンによる保護が必要です。

[小児の歯ぎしり]  

歯ぎしりには、ギリギリと音がする「グライディング」や
音がしなくてギュッと噛みしめる「クレンチング」などがあります。
小児の軽度の歯ぎしりの場合は、生理的現象で正常範囲内です。
小児は歯が生える途中で噛み合わせが安定しないため、自然
発生的に歯ぎしりをすると考えられています。

重度の歯ぎしりは、
  ・歯が欠ける原因になる
  ・将来的にエラ張り顔になる
ため、治療が必要なこともあります。
歯ぎしり対策には、
  ・スプリント(マウスピース)治療
  ・噛み合わせ(咬合)治療
  ・歯列矯正(歯並び)治療
  ・栄養医学療法
がありますが、基本はスプリント(マウスピース)治療と栄養医学
療法になります。
歯ぎしりに関連する栄養素はたくさんありますが、ビタミンB群が
ポイントです。





ガミースマイル 

必要以上に上の歯茎が見える状態を「ガミースマイル」と
呼びます。


<歯牙萌出未完全>   

歯肉から歯が完全に萌出していなことがあります。
この場合には、余分な歯肉を切除すれば、正常な歯の形に戻り、
ガミースマイルも改善します。


<口唇過緊張>  
(態癖=生活悪習癖)

口唇過緊張、特に下口唇の過緊張があるとガミースマイルに
なりやすくなります。
下口唇の過緊張のサインは、口唇を閉じた時に、オトガイ
(下顎の先端)に梅干し様のシワができることです。
下口唇の過緊張は、仮にガミースマイルにならなかったとしても、
歯の喪失の原因になるので要注意です。

[小児の顎関節症] 

<過蓋咬合と顎関節症>  

過蓋咬合とは、噛み合わせ(特に前歯の噛み合わせ)が深い
状態です。
一見すると全く問題がない噛み合わせに見えます。
保護者が気付くことは、まずありません。
それどころか、2歳児歯科健診や3歳児健診、就学前健診などで
指摘されることも、極めて稀です。
しかし、過蓋咬合は下顎後退を伴っていることが多く、顎関節症に
なりやすい危険な噛み合わせです。
顎関節にとっては、下顎を若干前に出した状態が楽な姿勢です。
逆に、下顎が奥に行けば行くほど(下顎後退)、顎関節にとっては
つらい姿勢です。
過蓋咬合の子どもが成長し、下顎が大きくなろうとしても、
上顎の歯がブロックしているので前方方向に成長できません。
すると、下顎がさらに後退することによって、成長スペースを
確保します。
こうして、日に日に顎関節症の発症確率が高くなるのです。
早期に治療を開始しなければならないことの多い不正咬合の
ひとつです。
下の前歯が1/3以上隠れていたら、過蓋咬合の疑いがあります。
乳歯は永久歯と異なり、下の前歯がほとんど隠れないのが正常な
噛み合わせです。

小児の口臭症  

<カンジダ症と子どもの口臭>  

口腔カンジダ症や消化管(腸管)カンジダ症の子どもの場合、
口臭が強くなることがあります。


<栄養障害と子どもの口臭>  

口臭予防に最も菅家の深い栄養素はビタミンB群です。
逆に、ビタミンB群が不足すると、口臭が悪化しやすくなります。
口臭に関連する栄養素はたくさんありますが、少なくとも
ビタミンB群の不足は避けなくてはなりません。


<魚臭症候群(トリメチルアミン尿症)>  

トリメチルアミン尿症は、摂取した食物を体内で消化分解した際に
発生したトリメチルアミンが分解されず、汗や尿、呼気の中に排出
されてしまう疾患の事です。
トリメチルアミンは腐敗した魚の臭いがするため魚臭症候群とも
呼ばれる。
トリメチルアミンを分解する酵素が先天的に欠如している場合と、
肝機能障害や肝機能低下による後天的な場合があります。
体臭は
  魚のような生臭い臭い
  便臭
  生ゴミの臭い
  下水道の臭い
など様々です。
抜本的な治療法はなく、トリメチルアミン尿症患者はトリメチル
アミン前駆物質であるコリンやレシチン等の含有量の多い食品
  海産魚介類
  卵黄
  乳製品
  豆類
  肉類
などの摂取を控えるように努力する事になります。


<魚臭症候群の疫学>  

深刻な口臭や体臭で悩んでいる人のうち、魚臭症候群
(トリメチルアミン尿症)の患者さんは、1/10以下だそうです。
研究が進んでいるヨーロッパの症例数から考察しますと、日本の
患者数は数百人〜数千人と想像されます。
極めて稀な病気です。


魚臭症候群の検査>

山崎浩史先生(薬物動態学)が検査をしてくれているようです。


<魚臭症候群の治療>

深刻な口臭や体臭で悩んでいる人のうちの90%以上は、
魚臭症候群(トリメチルアミン尿症)ではないということが
ポイントです。

魚臭症候群であった場合>
根本的な治療法はないため、原因物質除去療法を行うように
なります。
栄養障害(栄養素不足)が生じる可能性が高いですので、
その分をサプリメントで補う必要があると思います。


魚臭症候群の1例報告>  

私は勤務医時代に1名経験しました。
小学校5年生の女児でした。
最初、鼻が良い歯科衛生士が「魚臭い」と指摘しました。
その後、他の歯科衛生士も同様の反応を示しました。
鼻が詰まっていた私も鼻閉が改善すると魚臭さを感じるように
なりました。
いつも1人で治療に通って来るので、家が魚屋さんで忙しいから
だろうと考えていました。
ところが話をよく聞いてみると会社員の共働き家庭でした。
当時はネット環境がなかった時代のため魚臭症候群という疾患が
あることさえ知り得ませんでした。
大人びていて礼儀正しいかわいい少女でしたが、中学校や
高校でいじめられなかったかが気にかかっています。

[小帯異常]  

<上唇
小帯付着異常> 

上の前歯の歯肉に存在するヒモ状の組織が上唇小帯です。
上唇小帯が長い状態が上唇小帯付着異常です。
  ・反対咬合
  ・正中離開
の原因になる場合には、切除が必要です。
上唇小帯付着異常の子どもは、歯ブラシを嫌がる傾向があります。
護者による歯磨きや仕上げ磨きの時に、上唇小帯を傷つけて
しまうからです。


舌小帯付着異常(舌小帯短縮症)>  

舌の裏側(底面)に存在するヒモ状の組織が舌小帯です。
舌小帯が短い状態が舌小帯付着異常です。
  ・母乳やミルクが飲めない
  ・滑舌が悪い
場合には、治療が必要になってきます。
しかし、今現在は積極的に外科手術をしない傾向にあります。
8歳時に中等度の舌小帯付着異常の女児が来院しました。
外科手術を説明しましたが、希望しませんでした。
その後、中学〜高校へと進学して、滑舌で苦労したことはない

そうです。
得意科目は英語だそうです。
「r」や「t」の発音が難しいと予想していましたが、全くの
取り越し苦労でした。


舌癒着症> 

舌小帯だけでなくて舌の底面全体が口腔底と癒着傾向にあって、
舌の動きが極めて悪い状態が舌癒着症です。
  ・母乳やミルクが全く飲めない
  ・呼吸が苦しい
  ・夜泣きがひどい
などの症状が典型的です。
極めて稀な病態です。
外科手術の適応になります。
外科手術は当院では行っておりません。
専門医療機関を紹介します。

[口呼吸] 

口呼吸の症状&問題点 

  ・バカに見えてしまう
  ・歯並びが悪くなる
  ・呼吸器系の感染症にかかりやすい
  ・咳込みやすい
  ・喘息が悪化する
  ・アレルギーが悪化しやすい
  ・扁桃腺が腫れる
  ・口臭
  ・前歯が虫歯になりやすい
  ・前歯に着色が着きやすくなる
  ・前歯の歯肉が腫れやすくなる
  ・前歯の歯肉が黒くなる
  ・いびきをかきやすい→睡眠時無呼吸症になりやすい

口呼吸の半数は「習慣性口呼吸」と言われています。
習慣性口呼吸とは、鼻呼吸が可能ですが、癖で口呼吸をしている
状態です。
残りの半数は、鼻呼吸が困難なために、必要にせまられて口呼吸を
している人です。
耳鼻咽喉科での治療が必要です。
鼻呼吸が困難な状況は、時間帯や季節によって変動するため、
それに応じて口呼吸の頻度が変化します。
もし口呼吸の頻度が変化しない場合には、習慣性口呼吸に該当
します。

リガフェーデ病  

平均萌出時期よりも萌出が早い場合を早期萌出と言います
出生時に既に萌出しているものを出生歯出産歯)、出後
か月以内に萌出したものを新生歯(新生児歯)呼びます
出生歯と新生歯を合わせて先天歯(先天性歯)言います
先天歯多く下顎乳中切歯部(前歯部)見られます。
乳切歯(本来の乳歯)と過剰歯の場合があります


<症状>  

哺乳時に舌の下面が先天歯によって傷つきます。
傷が深い症例を潰瘍と呼びます。
潰瘍ができる場合をリガ・フェーデ病と言います。
舌が痛くて、母乳やミルクを飲まなくなることもあります。
母親の乳首が傷つくこともあります。


<疫学>  
日本人の
発生頻度0.1%。


治療  

原因歯の切縁の削合や被覆を行います
症状が改善されない場合には抜歯の適応となります。

小児の予防歯科  
 
仕上げ磨き 

10
歳まで保護者による仕上げ磨きが出来ればベストです。


歯ブラシを嫌がる> 

3歳児歯科健診などで最も多く相談されるのが歯ブラシを嫌がる
です。
口腔は、栄養摂取の入口であると同時に毒物や危険物の入口でも
あります。
したがって、本能的には他人に口の中をいじられるのは嫌いです。
それを学習で克服するのです。
自分に毒物や危険物を食べさせない母親や父親ならば口の中を
いじらせても大丈夫だろうと学習して行くのです。
しかし、小さい時には歯ブラシをさせてくれたが、3歳になったら
歯磨きをさせてくれなくなったというパターンも少なくありません。
自我の芽生えです。

歯ブラシ(歯磨き)を嫌がる最大の原因は、母親や父親が歯磨き
している姿を子どもに見せないことです。
子どもの歯磨き(仕上げ磨き)をリビングで行うとしたら母親と
父親とがリビングで歯磨きを行い繰り返し子どもに見せることが
重要です。
できれば、時々子どもに歯磨きを手伝ってもらえばなお良いで
しょう。
子どもは見ていないようで、常に親を観察しています。
親が歯を磨く姿を常に見ていれば子どもの歯ブラシへの敷居は
グンと下がります。

もうひとつ呼吸の問題があります。
  ・鼻呼吸が上手くできない
  ・呼吸を止めていられる時間が短い
などの場合、膝の上に寝かせて歯ブラシがつらいことがあります。
その場合には、椅子に座らせて正面から歯ブラシするのが良いで
しょう。
また、少しずつ歯ブラシを行い、頻繁に呼吸を調える時間を与える
のが良いでしょう。


<フッ素>   

うがいができるようになるまでは、フッ素入り歯磨剤の使用は
避けるべきです。
フッ素塗布にも行ってはいけません。

フッ素は虫歯の発症を遅らせます。
昔は小学校低学年で虫歯になった歯が、今は高学年になってから
虫歯になるようなイメージです。
低学年では歯磨きが上手にできなった子どもが、高学年になれば
歯磨きが上手にできるようになれば、虫歯を回避できます。
つまり、フッ素は虫歯を減少させる可能性があります。

一方、フッ素は歯の硬さを少々軟らかくする副作用があります。
長い目でみれば、プラスマイナスゼロかちょっとプラスかちょっと
マイナスかという微妙なところだと思います。



<栄養>    

虫歯予防の最大の要因は栄養であると言っても、にわかには
信じられないかも知れません。
しかし、一生懸命に仕上げ磨きをしているにも関わらず
  ・虫歯が出来てしまった
  ・1歳6か月健診や3歳児健診で歯磨き状況「普通」と言われた
ことがある保護者には理解できるかも知れません。
先進的な歯ブラシを入手できない先住民族(原住民)の子ども達に
虫歯が出来ないのが、その証拠です。
虫歯の予防にビタミンB6が有効であるとする研究があります。
10〜15歳の小児にビタミンB6含有のトローチを1日3回飲んで
もらったところ、プラセボ群に比べて、有意に虫歯が減少しました。
また、500人以上の妊婦について行った同様の実験でも、虫歯予防
効果が認められています。     
逆に、ビタミンB6欠乏で虫歯の増加や骨の変形が報告されています。
      (出典:日本ビタミン学会編/ビタミンの辞典)
ビタミンB6不足は、
  ・アルコール摂取
  ・経口避妊薬
  ・パーキンソン病治療薬のL-ドーパ
などで顕著に起こります。
ビタミンB6の吸収阻害や尿中への排泄促進によって、ビタミンB6
不足を生じます。
また、身体的・精神的ストレスによって、ビタミンB群の要求量が
高まるので、相対的にビタミンB6不足が起こります。
ビタミンB6が糖質代謝やアミノ酸代謝の多くの反応に関与して
いるためです。
ビタミンB6は細胞の核に作用するホルモンの様な働きもします。
ビタミンB6以外にも虫歯と関係のある栄養素がありますので、
ビタミンB6だけを摂取すれば良いという話ではありませんが、
少なくともビタミンB6の不足を予防した方が良いと思います。

[唾液過多症]  

唾液
過多を訴えるのが最も多いのがティーンエイジャーの
女性です。



<唾液過多症
の栄養療法>  
唾液
過多症の治療の基本は栄養療法になります。
最も重要な栄養素はビタミンA/ベータカロテンです。
ビタミンAは細胞の新陳代謝の正常化に関係しています。
唾液をつくる腺房細胞は劣化しやすいため、正常な新陳代謝を
行わせるためにビタミンAが必要になります。

ビタミンAは妊婦に限って唯一過剰症の報告があるビタミンです。
妊娠可能期間(初潮〜閉経)までの女性は、ビタミンAの摂取
過剰に気をつける必要があります。
ベータカロテンは過剰症の心配がないので、ビタミンAとベータ
カロテンとを組み合わせて摂取した方が良いでしょう。
唾液過多症に関連する栄養素はたくさんありますが、ビタミンA/
ベータカロテンが不足しないことが重要です。

小児歯科 

小児歯科の周辺疾患 

歯並び 


虫歯 

酸蝕歯 

栄養医学療法 

歯ぎしり

顎関節症 

口臭症 

予防歯科 

唾液過多症   

上顎洞炎(副鼻腔炎) 

咬合(噛み合わせ) 

ムーシールド


TOP(横山歯科医院)  

ピクチャ 5