予防歯科
定期検診 メインテナンス セルフケア
更新日:2018年11月15
サポートセラビー

ピクチャ 4

*予防は治療に勝る 

セルフケア(歯ブラシ)

早期発見早期治療 

予防歯科とは 

全身疾と予防歯科 

ミュータンス・ストーリー 

栄養療法 

歯槽骨とマグネシウム 

妊娠姓歯肉炎 

出産と虫歯との関係 

歯槽骨のターンオーバー 

歯周病と栄養医学 

咬合と虫歯との関係 

部活と虫歯との関係 

学校給食と虫歯との関係 

歯科医師も虫歯で悩む 

1冊の本との出会い 

小さい虫歯の発生機序 

中等度の虫歯の発生機序 

大きな虫歯の発生機序 

虫歯  

酸蝕歯  

歯周病  

咬合  

顎関節症  

歯ぎしり 

栄養医学療法  

TOP(横山歯科医院) 

初診・再初診の方へ(ご予約)

[予防は治療に勝る 

予防は治療に勝るは農村医学の父で佐久総合病院の元院長
故若月俊一先生の言葉として有名です。
予防は治療に勝るの実践のおかげで、長野県は長寿県になりました。
さらに、長野県は日本一医療費の少ない健康寿県にもなっています。

虫歯や歯周病も「予防は治療に勝る」のです。

   
定期的に歯科医院を受診している人は、全ての病気にかかる
   年間の総医療費が
低くなる傾向があることが、トヨタ関連
   部品健康保険組合(豊田市)と豊田加茂歯科医師会の共同
   調査で分かった。 (中日新聞 2011年3月28日)


   東京とニューヨークの働き盛りのサラリーマンの口腔意識
   調査(ライオン歯科
衛生研究所)によると、1年に
   最低1回は定期健診に行く割合が、東京24%に対して
   ニューヨークは79%と高い。
   この差は一体どこから?
   1つにはアメリカでは、キレイな歯並びが社会的ステータスの
   1つとして認知されているからであろう。
   歯科医療費が極端に高いため、予防に努めている面もあるかも
   しれない。
   日本は健康保険で、そこそこの負担で歯科にかかれる。
   痛くなって、歯科に駆け込むのが習慣になっていませんか。
   優先順位を変えましょう。(読売新聞  2007年10月12日)
              (元東京医科歯科大学教授エッセイ)
     < 
上へ戻る > 

セルフケア

[手用歯ブラシ] 

「プロスペック歯ブラシ」(GC製)(歯科医院専売品)

GC社から1円もリベートをもらっていませんが、プロスペック
歯ブラシ以外では、ほとんどプラーク(歯垢)を除去できないと
思います。
学生時代に大学の教員と学生の歯ブラシを調べましたが85%以上が
プロスペック歯ブラシを使用していました。

別に他の大手ブランドの歯ブラシが気に入ってそれでちゃんと
磨けていて虫歯が出来ないのであれば全く問題ありません。
しかし、定期的に虫歯が出来るようであれば工夫する必要があると
思います。

当院の患者さんで、歯ブラシを買ったことが無い人がいます。
ホテルの歯ブラシを集めて使用しています。
ホテルの歯ブラシはすぐに毛先が開いてしますので、少しずつ
ハサミで毛先をカットして使用しているそうです。
でも、数年に1回は大きな虫歯が出来て、しばらくは通院しなければ
なりません。
                    < 
上へ戻る > 




[電動歯ブラシ・超音波歯ブラシ] 

現在では、超音波歯ブラシが小型化して持ち運びに便利になり
ました。
女性を中心に、昼食後の歯磨き用に超音波歯ブラシを持ち歩いたり、
職場に置いている人が増えているようです。
一時期、電動歯ブラシが良いか、超音波歯ブラシが良いか、論争に
なったことがありますが、結局のところ、好みの問題という結論に
終わりました。

要介護者が増えるに従って電動歯ブラシの復権が計られつつあります。
円運動型の電動歯ブラシであるブラウンの「オーラルB」シリーズ
です。
これは、介護者が、要介護者の前方から、側方から、後方から
どこからアプローチしても円運動型型の電動歯ブラシなので
磨き残しが少ないとの理由からです。
病院や在宅で要介護高齢者を中心に診療している歯科医師の多くが
ブラウンの「オーラルB」を推奨しています。
                    < 
上へ戻る > 




[歯間ブラシ] 

ブリッジや連結クラウン(連結冠)が装着されている人は歯間
ブラシの使用は必須です。
何らかの理由によって歯を失い歯の無い所にブリッジを作るわけ
すから、天然歯の何倍も虫歯や歯周病のリスクが高く、徹底的な
セルフケアが必須で
ブリッジの連結部分の下は、通常の歯ブラシでは全くプラークが
除去できません。歯間ブラシの使用が必須で
また、歯間ブラシが入らないような細い隙間には、ブリッジ用
デンタルフロス「ソーントンフロス」の使用が必須で
ブリッジの土台の歯がダメになると、多くのケースで取り外し式の
入れ歯になってしまいます


ブリッジが装着ざれていない人の場合、歯間に余裕がある
(隙っ歯傾向)人は、歯ブラシの毛先をきちんと歯間に入れる
ことができれば、フロスや歯間ブラシは必要ないと歯周病治療の
大家(故人)は言っています。

歯間が詰まっている人は、歯間ブラシやデンタルフロスの使用が
推奨されています。
(しばしばフロスが切れたり、歯間ブラシが取れなくなる人)


青年期以降の虫歯の好発部位は歯と歯との間、歯間部です。
歯周病の初発部位は、やはり歯と歯との間、歯間部です。
もし時間がなくて、歯ブラシか歯間ブラシ・デンタルフロス
どちらか一方しか使用できないのであれば、フロスや歯間ブラシを
選択した方が、虫歯や歯周病を予防できる可能性が高い
と主張する
大学教授もいます

上記の歯周病治療の大家(故人)とは全く逆の考え方です。

歯と歯との間の歯肉、歯間乳頭は平均して年間0.07mm退縮します。
歯根が完成する15歳をスタートラインとして考えると、15年後の
30歳で1.0mm退縮し、30年後の45歳で2.0mm退縮する計算に
なります。
隙間が出来ればプラークが溜まり細菌が増殖するのは当然の結果
です。

米国の小学校では年に1回〜数回、衛生士によるフロッシングの
授業があるそうです。
米国の成人が全員フロスを使っているとは限りませんが、
少なくともフロスの使い方は知っているそうです。
現代のシンデレラ物語として話題となった1990年代の映画
「プリティ・ウーマン」、その中で、ジュリア・ロバーツ扮する
主人公が食後にフロスを使用するシーンがありました。
アメリカではこれほどフロスが普及しているのだ、と感心したの
のは別の大学の元教授です。
                    < 
上へ戻る > 




[子どもの仕上げ磨き]

「小学校卒業くらいまでは仕上げ磨きを!」と考える歯科医師が
多いようですね。(ママスタセレクト 2015年05月10日)




[マウスウォッシュ

酸性度が高いマウスウォッシュ(洗口剤)
を長期間使うと、
虫歯(酸蝕歯)になりやすくなる可能性がある。
           (スキンケア大学 2015年3月6日)




[キシリトール] 

キシリトールは虫歯を予防しないかもしれない。
           (Medエッジ 2015年4月3日)





[子どもの歯の強さ]

妊娠中の食生活が子どもの歯の強さに影響する。
子どもの歯は、生える前にある程度の強度が決まるようです。
妊娠中に、歯の形成に必要な栄養素をバランスよく摂ることが、
子どもの強い歯を作ると言われています。
           (マイナビ 2015年2月19日)
     < 
上へ戻る > 

プロフェッショナルケア

早期発見早期治療 

やはり早期発見早期治療が重要です。
初期虫歯は再石灰化するかも知れないので治療しないで様子を
診た方が良いという考え方もあります。
しかし、再石灰化するのであれば、あるいは再石灰化する人で
あれば、初期虫歯になる前に再石灰化しているので、そもそも
初期虫歯にもなりません。
再石灰化しない人や再石灰化しない歯が初期虫歯から、本格的な
虫歯へ進行して行くのです。
                    < 
上へ戻る > 




予防歯科とは 

歯は常に移動しています。
噛み合わせ(咬合)は日々変化しています。
歯は縦方向にも横方向にもすり減って磨耗します。
頬杖や横向き寝などの態癖(生活悪習癖)によって歯並びは
変化します。
栄養障害(栄養素不足)によっても歯並びは変化します。

ある歯だけ強く接触するようになると、歯の質が弱ければ虫歯に
なります。
歯が丈夫だと歯周病が進行します。
歯も歯周病組織も丈夫だと、歯がすり減って咬耗するか、
顎関節症になります。
歯の動揺度(動き具合)などの歯周組織検査をすると、これらの
徴候がわかってきます。
もちろん、歯石除去も重要です。
                    < 
上へ戻る > 




全身疾患と
予防歯科 

口腔顔面領域には、全身疾患のサインが現れることが少なく
ありません。
サインが出ていても、それが回復傾向にあるのか、逆に悪化傾向に
あるのかは、1クールの診療中にはわかりません。
定期検診に来て頂くことによって、全身疾患のサインをお知らせ
できるのです。
全身疾患のサインが急速に悪化する場合は、大病を発症する危険性が
高くなります。
2014年には、脳卒中2名、心筋梗塞1名のサインをお知らせ
できました。
いずれの患者さんも発症前に対策を取っていたために、ほとんど
後遺症が残りませんでした。
2015年以降も年に1〜2名のサインをお知らせできています。
                    < 
上へ戻る > 




ミュータンス・ストーリーはもう古い?!]

<ミュータンス・ストーリーとは>
砂糖の主成分であるスクロース(ショ糖)は、グルコース
(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)とが結合した二糖類です。
このスクロースを摂取すると、ミュータンス・レンサ球菌が
スクロースを原料として不溶性グルカン(プラークの基礎)を
産生します。
歯質に不溶性グルカンがくっつき、その不溶性グルカンを足場に
ミュータンス菌がくっつきます。
不溶性グルカン+ミュータンス菌の塊がプラーク(歯垢)です。
歯質に付着したミュータンス菌は、スクロースを分解して酸を
産生し、その酸が歯質を脱灰して齲蝕(虫歯)を作ります。


<ミュータンス・レンサ球菌は少ない>
齲窩においては、アクチノミセス菌やレンサ球菌(ミュータンス
以外)が多く認められます。
特に、初期虫歯では、ミュータンス・レンサ球菌はかなり少ない
ことがわかっています。
これは、不溶性グルカンを産生する能力が高いミュータンス・
レンサ球菌が初期虫歯に重要な役割をしているというミュータンス
・ストーリーとは矛盾します。

<プラーク量と虫歯の程度とは必ずしも比例しない>
遺伝性フルクトース不耐症の患者さんはフルクトースやスクロースの
摂取を制限され、齲食が少ないことがわかっています。
しかし、プラークの量は対象群(一般人)と変わりません。
つまり、プラーク量と虫歯の程度とは必ずしも比例しないことに
なります。
ミュータンス・レンサ球菌がスクロースを原料として不溶性
グルカンを産生するというミュータンス・ストーリーとは一致
しません。

[参照]
  ・口腔生化学
  ・最新歯科衛生士教本 解剖学・組織発生学・生理学
                    < 
上へ戻る > 




栄養療法 

昔ながらの生活スタイルを守っている民族(いわゆる先住民)は
虫歯や歯周病が極めて少なく、歯並びも良いことが多いのは
何故でしょうか?
たとえ昔ながらの食事が軟らかい食べ物である民族においても
虫歯や歯周病が極めて少なく、歯並びも良いのです。

民族独自のビタミンやミネラルが豊富な食事を摂る工夫や
ビタミンやミネラルを喪失しない伝承が歯や歯周組織、歯列や
顎を守っているのです。
                    < 
上へ戻る > 




顎骨・歯槽骨とマグネシウムとの関係 

マグネシウム不足では骨強度が低下します。
全マグネシウムの55%か骨中に存在します。
歯槽骨の皮質骨と海綿骨との割合は腰椎のそれに近いので、
歯槽骨の吸収(減少)は将来的な腰椎の骨粗鬆症を暗示しているかも
知れません。
歯槽骨は腰椎よりも10倍程度リモデリング(新陳代謝)が速いと
考えられています。


尚、血液中のマグネシウムは1%以下なので、血液検査の結果の
マグネシウム値が正常でもマグネシウム不足〜欠乏で無いとは
言えません。
マグネシウムと関連する酵素値などを参考に臨床症状を加味して
マグネシウム不足〜欠乏を推定する必要があります。
赤血球中には血清(血液の上澄み部分で血液検査の検体)の2倍、
筋肉には100倍のマグネシウムが存在します。
                    < 
上へ戻る > 

妊娠性歯肉炎の発生機序] 

妊娠性歯肉炎は、ホルモン関連性歯肉炎です。
易出血性の歯肉炎が特徴です。

歯肉溝(歯周ポケット)内の滲出液中に女性ホルモンが増えると、
女性ホルモンを栄養源とする細菌プレボテラ・インターメディアが
爆発的に増加します。
プレボテラ・インターメディア産生する内毒素や酵素が歯肉を
破壊し炎症を引き起こします。

なお、プレボテラ・インターメディアを含む黒色集落形成嫌気性
桿菌の多く
女性ホルモンの他にビタミンK3(メナジオン)を
必要とします

                    < 
上へ戻る > 




妊娠・出産と
虫歯との関係] 

昔は妊娠出産で歯が悪くなると言われていました。

その後、予防歯科学や歯周病学の発展により、
  ・つわりによって歯磨きがおろそかになる
  ・お腹が大きくなって歯磨きがおろそかになる
ことが主原因であると考えられるようになりました。

しかし、最近の研究では、再び妊娠出産によって歯が悪くなる
可能性が指摘されるようになってきています。
栄養障害(栄養素不足)に伴う虫歯です。
                    < 
上へ戻る > 




歯槽骨
のターンオーバーサイクル]  

のターンオーバー(新陳代謝)サイクルは5年〜10年と考え
られています。
顎骨、特に歯牙の周囲の骨である歯槽骨はターンオーバー
(新陳代謝)が非常に速く、Wikipediaによれば10倍以上の
スピードだとあります。

栄養障害(栄養素)不足があると、顎骨は急激に小さくなります。
これが歯周病の一因となります。
さらに、噛み合わせが悪化するため、
  ・歯ぎしり
  ・顎関節症
  ・歯並びの悪化
の原因になります。
がん(癌)は異化状態(組織を分解して栄養素に戻す)の典型
ですので、がん患者さんの顎
骨はびっくりするほど小さくなります。
                    < 
上へ戻る > 




[歯病と栄養医学との関係] 

  ・歯肉を触ると痛い
  ・硬い歯ブラシを使えない
  ・歯髄神経の無い歯を削る時に、歯時代は痛く無いが、歯肉が痛い
  ・歯肉がぶよぶよしていて弾力が無い
  ・歯肉からの出血がひどい
  ・歯周病治療は終了と言われたのに、まだ歯肉から出血する
  ・歯槽骨がもろいと指摘された
  ・歯槽骨が骨粗鬆症になっていると指摘された
  ・口の中が粘る
これらの症状は、栄養障害(栄養素不足)の可能性を強く示唆する
サインです。
  ・歯肉炎や歯周病予防(未病)
  ・
歯肉炎〜歯周病軽度の治療
の最も重要なポイントは栄養改善です。
                    < 
上へ戻る > 




咬合(噛み合わせ)と
虫歯との関係]  

咬合(噛み合わせ)も虫歯の発生に大きな影響を及ぼします。
根管治療の上手い・下手よりも、クラウン(冠)に与える咬合の
方がその歯の予後に対する影響が大きかったという研究報告も
あります。
根管
治療が成功しても補綴治療に失敗すると、トータルでの
治療成績としては44%に下がってしまいます。
つまり、常に噛み合わせを考慮して初期虫歯の治療も根管治療も
進めなければならないことを示しています。
                    < 
上へ戻る > 




部活と
虫歯との関係] 

栄養素は摂取不足だけの問題ではありません。
栄養素は消費して残高が減ることも重要なポイントです。
栄養素を大量消費するものに、
  ・運動や肉体労働
  ・頭脳労働
  ・風邪や病気
  ・精神的ストレス
などがあります。
部活が終わった帰りの大食によってエネルギー量は補えるかも
知れませんが、ビタミンやミネラルを必要量だけ補うことは
不可能です。
ですから、栄養士のサポートを受けているトップアスリートでさえ
歯が悪い選手が少なくないのです。
                    < 
上へ戻る > 




学校給食と
虫歯との関係] 

ほんとうに給食とはありがたいものです。
給食のおかげで小中学校生の虫歯が激減しているのです。
歯磨き習慣による影響はわずかで、ほとんどは給食様々による
影響であろうと考えています。

それが証拠に、給食が無い高校生になると虫歯が増えてきます。
「試験勉強で歯磨きがおろそかになってしまって」と言う患者さんが
少なくありませんが、多くは給食が終了した影響だろうと思います。
大学生になるとさらに虫歯が急増するのが、その証拠です。
栄養素不足が始まってから2〜5年後に虫歯が急増する訳ですが、
それがまさに大学生です。
あるいは、親元から離れて2〜5年後に虫歯が急増するパターンも
あります。
                    < 
上へ戻る > 




学校給食の栄養学の昔と今] 

私の子どもの頃、学校給食は1日に必要な栄養素の1/2を摂取
できるように作られていました。
昔は貧しくて朝食どころか夕食も食べられない子どもがいました。
また、食事を作らない親の場合、コンビニも無かった時代ですので
お腹が空いても何も食べる物がありませんでした。
現在は、1日に必要な栄養素の1/3、すなわち1食分を摂取できる
ように作られています。
その分、各地の名産食材を使用したり、献立メニューが豊富だったり
します。

栄養医学で考えるところの個人個人に最適なビタミン摂取量や
ミネラル摂取量にはほど遠いですが、「日本人の食事摂取基準」の
1食分はクリアしています。
平均的な家庭の栄養バランスよりも学校給食の方が優れています。
逆に言えば、過半数の家庭の食卓は日本人の食事摂取基準をクリア
していません。
日本人の食事摂取基準とは「ただちちに健康に重大な影響を与える
ものではありません」という某官房長官のコメントのような基準の
ことです。

夏休みが終わって2学期が始まると体調を崩す子どもが少なからず
います。
夏休みに遊び過ぎた訳でもなく、学校に行くのが大嫌いでも
なければ、それは夏休み期間中の家庭の食事が原因です。
美味いか不味いかの問題ではありません。
栄養学的に適切であったかどうかの問題なのです。
こう考えると、学校給食様々、管理栄養士様々でしょう。
                    < 
上へ戻る > 

歯科医師も虫歯で悩む 

<大学の同級生の場合>
大学の同級生のO君は虫歯が多い。
O君は下戸なので、酔っぱらいのように「面倒だから歯を
磨かないで寝ちゃおう」と言うよなことは皆無です。
しかも、一度も喫煙したことがありません。
O君は几帳面で器用なので、「歯医者なのに歯磨きが下手な
先生がいるよね」と言うよなことも有り得ません。
でも定期的に虫歯ができるので、定期的に遠路はるばる治療に
やってきます。
但し、O君はかなりの偏食なのです。
O君の治療をしながら、栄養障害(栄養素不足)と虫歯とは
関係がありそうだから栄養医学を勉強してみようと思ったのです。
養医学は大学では教えません。


<大学
の先輩は自分自身で抜髄した>
大学のU先輩は勉強熱心で、いろいろな勉強会に誘ってくれます。
U先輩はホテルに宿泊する際には、必ず「マイ歯ブラシ」
(歯科医院専売品)を持って行きます。
一方、私はと言うと、普段は「プロスペック」(歯科医院専売品)
しか使いません。
「プロスペック」以外ではプラーク(歯垢)を除去することは
不可能と思っています。
しかし、私は、ホテルに宿泊する際には、面倒だからプロスペックを
持っていかずにホテル備え付けの歯ブラシで磨きます。
ホテルの歯ブラシは全くもって磨けないのですが、たまには
磨けないという感覚も良いかなと考えるのです。
そんな私には虫歯ができないのにマイ歯ブラシを持って行くU先輩は
虫歯ができるのです。
U先輩は自分で自身に局所麻酔注射をし、自分でタービンを持って
歯を削り、リーマー・ファイルを使って抜髄してしまう強者です。
「下顎の歯だったから何の問題も無かった」そうです。
U先輩は山菜やキノコに詳しくて、よく採りに行きます。
一見体に良さそうな食生活を連想させますが、残念ながら
山菜やキノコ得られるビタミンやミネラルはわずかなのです。
U先輩と奥さんは軽度のうつ状態を断続的に繰り返しているそうです。
子どもは3人共に不登校でした。
うつ状態や不登校の一部は栄養障害が原因であることは多くの
出版物に記載されています。


<スタディーグループの先生も抜髄した>
スタディーグループの同年代のT先生も自分で自身に局所麻酔
注射をし、自分でタービンを持って歯を削り、リーマー・ファイルを
使って抜髄してしまう強者です。
「下顎の歯だったから何の問題も無かった」そうです。
その前は左上奥歯を分で抜髄したそうです。
強者先生でも上顎の治療はそれはそれは大変です。
T先生は鏡の設置の仕方や、タービンバーの方向など、自分自身で
抜髄する方法を事細かに解説してくれます。
しかし、周囲の先生方の反応はというと「そんな大きな虫歯
できないしなあ・・・」


<研修会でご一緒した先生はボロボロ>
実習付きのセミナーで同じグループになったM先生。
各自自身の口腔内の型を採って模型を作って持参するセミナー
でした。
宮城県から参加したM先生の模型は虫歯だらけ穴だらけでした。
隣の席の女医さんが注意しました。
「M先生、患者さんの模型ではなくて自分自身の模型を持って
来るんですよ。」
M先生は小さくなって答えました。
「僕の模型なんだけれど・・・・・」


<中学・
高校の親友の虫歯> 
中学・高校の同級生だったN君は虫歯が多かった。
N君は中学・高校と断続的に歯科医院に通院していました。
銀歯(
メタルクラウン)が徐々に増えて中学校卒業時には、
結構な本数のメタルクラウンが装着されていました。
高校に入ってからも歯科医院への通院は続いていました。
他の親友はというと、歯科医院に断続的に通院している様子は
無かったですし、メタルクラウンが年々増えている様子も無かった
です。
何故、N君だけが虫歯が多いのだろうと、ぼんやりとした疑問を
感じていました。

N君の家に遊びに行く機会がありました。
N君の両親は小学校の先生で、N君は一人っ子の鍵っ子でした。
N君の昼食はラーメンライスでした。
具の全く無いインスタントラーメンを作り、炊いてあったご飯を
盛ったのです。
別の機会に遊びに行った時も、やはり昼食はラーメンライスでした。

まさかこの時点で、虫歯と栄養との関係に気がついた訳では
ありません。
後年2007年頃に出席した栄養医学のセミナーを聞きながら、
ふとした拍子にN君のことを思い出したのです。
その時、感じたのです。
もしかしたら、栄養素不足(栄養障害)と虫歯とは関連があるかも
知れないと。
                    < 
上へ戻る > 

1冊の本との出会い 

栄養障害(栄養素不足)と歯周病との関係については多くの研究が
なされ、多くの雑誌や書籍に記載があります。
歯肉にしろ歯槽骨にしろ新陳代謝が行われていて、尚且つ身体の
他の部位と同じ構造なので他の研究を応用して当てはめることが
できるからです。

一方、歯牙はほとんど新陳代謝しないと考えられているので、
栄養障害(栄養素不足)が影響するはずが無いと考えられています。
わずかに、一部のビタミンの関与が記載されているだけです。

しかし、2012年に出会った本には、100年も前に栄養障害
(栄養素不足)と虫歯との関連性に気がつき調査・研究した成果が
書かれていました。
                    < 
上へ戻る > 

prevention1994

小さい虫歯の発生機序] 

エナメル質は表層と深層とで成分構成が異なっています。
エナメル質表層の虫歯は、従来通りの虫歯発症メカニズムによって
生じるのだと思います。
磨き残しや、虫歯原因細菌のエサとなる食物の摂取頻度、そして
虫歯原因細菌の種類や数などが影響するのでしょう。
ここで重要なのは咬合(噛み合わせ)です。
虫歯が発症する部位は咬合が関与していることが多いのです。
つまり、咬合負荷が大きい歯、大きい場所から虫歯が発生しやすい
のです。


<小さい
虫歯の予防法> 

き残しがあれば、歯磨き(セルフケア)の改善が必要であり
有効です。
定期的に歯科医院にて歯垢(プラーク)や歯石を除去することも、
小さい虫歯の予防法として必要であり有効です。
咬合(噛み合わせ)の問題がある場合には、まずはスプリント
(マウスピース)治療が有効なことが多いです。
                    < 
上へ戻る > 




中等度の虫歯の発生機序] 

エナメル質深層〜象牙質表層の虫歯で、しみるが痛くはないのが
中等度の虫歯です。

エナメル質深層を削ると痛みを感じるようになります。
これは、歯髄から象牙質を経由してエナメル質深層までは、無数の
細い管でつながっているからです。
象牙質やエナメル質深層は、従来はほとんど新陳代謝を行って
いない組織と考えられてきましたが、実はかなりの新陳代謝を
行っている組織なのです。
小さい虫歯の発生機序に加えて栄養障害(栄養素不足)が原因
です。
                    < 
上へ戻る > 




大きな虫歯の発生機序] 

  ・象牙質深層より深い虫歯
  ・エナメル質深層〜象牙質表層の虫歯で痛みの有る場合
象牙質は従来はほとんど新陳代謝を行っていない組織と考えられて
きましたが、実はかなりの新陳代謝を行っている組織なのです。
100年も前に栄養素不足によって虫歯が発生すると気付いた歯科
医師によれば、中等度〜大きな虫歯はここ最近の数年間の栄養素
不足が影響するそうです。

エナメル質表層には小さな穴しか開いていないのに、X線検査に
よって、エナメル質深層から象牙質にかけて巨大な穴が見つかるのが
典型な例です。
しかも、そんな大きな虫歯があるのに痛みを伴わないこともあります。
これは、栄養素不足があまりに深刻なため、歯髄神経が仮死状態に
陥っていて痛みを感じる能力を失っているからと考えます。

では、どの歯から虫歯が進行すのでしょうか。
  ・咬合(噛み合わせ)の負荷が大きい歯
  ・小さい虫歯(エナメル質表層の虫歯)がある歯
  ・栄養素不足が深刻になってから萌出した歯(親知らず)


<大きな虫歯の予防法>

栄養療法が中心となります。
並行して小さい虫歯の予防法を実施します。
                    < 
上へ戻る > 

prevention1993