[ムーシールド治療]
反対咬合や交叉咬合の治療において多くの場合、最初に選択する 矯正装置です。 ・上下一体式 ・機能矯正装置(筋の力を利用した装置) ・可撤式(取り外し式) 装置です。 主に夜間睡眠時に使用します。 夜間睡眠時に加えて、テレビを見ている時や本を読んでいる時にも 使用した方がより効果的です。
[ムーシールドの原理]
「低位舌」によって、押してはいけない下顎歯列を押してしまい、 本来押さなければならない上顎歯列を押さないので上顎劣成長に なってしまうのが反対咬合です。 ムーシールドは、舌位置を矯正し、舌が正しく上顎歯列を押して、 上顎骨の成長を助けるように誘導します。 また同時に、上口唇の過緊張によって、上顎前歯を内側へ押して しまうのをブロックすることによって、上顎歯列が前方に成長 するのを助けます。
[ムーシールドの開始年齢]
4〜7歳が適齢期です。 個人差があります。 4歳で入れられる子どももいますし、7歳まで待ってから使用 した方がよい場合もあります。
[ムーシールドの治療期間]
当院での最短は6か月です。 これには ・両親や両親の兄弟姉妹ともに歯並びが良い ・たまたま歯が生えて来た所が反対咬合だった ・栄養障害(栄養素不足)がない の条件が揃っていた場合です。
条件が悪ければ、3年、5年、それ以上かかる場合もあります。 ムーシールドを装着してさえいれば簡単に治る症例ばかりでは ありません。 兄弟姉妹で治療期間が大幅に異なる場合も少なくありません。
[中高な顔貌を]
中顔面域(鼻の先)の正しい成長を助けることによって、 きれいな顔貌=中高な顔貌を得られる可能性が高くなります。 これは、顎の成長がほぼ終わってから始めるワイヤー矯正では、 リカバリーできない領域です。 ムーシールドは、超早期治療(0期治療、プレ1期治療)に 該当します。 1期治療(歯列の拡大)やII期治療(正しい噛み合わせ治療)は また別に必要になることがあります。 上顎前突(出っ歯)や叢生(凸凹)その他の多くの不正咬合は 1期治療からでも間に合うことが多いのですが、反対咬合 (受け口、下顎前突)は超早期治療が有効なことが多いのです。
[ムーシールドの適応外(禁忌症)]
ムーシールドで骨格性の反対咬合は治療できません。 家族性の反対咬合も重度の場合は治療できません。 家族性や骨格性の反対咬合は基本的に「外科矯正治療」の対象 です。
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