ムーシールド

更新日:2018年11月1日

ピクチャ26

ムーシールド治療] 

反対咬合や交叉咬合の治療において多くの場合、最初に選択する
矯正装置です。
  上下一体式
  ・機能矯正装置(筋の力を利用した装置)
  ・可撤式(取り外し式)
装置です。
主に夜間睡眠時に使用します。
夜間睡眠時に加えて、テレビを見ている時や本を読んでいる時にも
使用した方がより効果的です。




[ムーシールドの原理] 

「低位舌」によって、押してはいけない下顎歯列を押してしまい、
本来押さなければならない上顎歯列を押さないので上顎劣成長に
なってしまうのが反対咬合です。
ムーシールドは、舌位置を矯正し、舌が正しく上顎歯列を押して、
上顎骨の成長を助けるように誘導します。
また同時に、上口唇の過緊張によって、上顎前歯を内側へ押して
しまうのをブロックすることによって、上顎歯列が前方に成長
するのを助けます。




[ムーシールドの開始年齢] 

〜7歳が適齢期です。
個人差があります。
4歳で入れられる子どももいますし、7歳まで待ってから使用
した方がよい場合もあります。




[ムーシールドの治療期間] 

当院での最短は6か月です。
これには
  ・両親や両親の兄弟姉妹ともに歯並びが良い
  ・たまたま歯が生えて来た所が反対咬合だった
  
・栄養障害(栄養素不足)がない
の条件が揃っていた場合です。

条件が悪ければ、3年、5年、それ以上かかる場合もあります。
ムーシールドを装着してさえいれば簡単に治る症例ばかりでは
ありません。
兄弟姉妹で治療期間が大幅に異なる場合も少なくありません。




[中高な顔貌を] 

中顔面域(鼻の先)の正しい成長を助けることによって、
きれいな顔貌=中高な顔貌を得られる可能性が高くなります。
これは、顎の成長がほぼ終わってから始めるワイヤー矯正では、
リカバリーできない領域です。
ムーシールドは、超早期治療(0期治療、プレ1期治療)に
該当します。
1期治療(歯列の拡大)やII期治療(正しい噛み合わせ治療)は
また別に必要になることがあります。
上顎前突(出っ歯)や叢生(凸凹)その他の多くの不正咬合は
1期治療からでも間に合うことが多いのですが、反対咬合
(受け口、下顎前突)は超早期治療が有効なことが多いのです。




[ムーシールドの適応外(禁忌症)] 

ムーシールドで骨格性の反対咬合は治療できません。
家族性の反対咬合も重度の場合は治療できません。
家族性骨格性の反対咬合は基本的に「外科矯正治療」の対象
です。

 

muh1993

乳歯の反対咬合] 

以前、乳歯の反対咬合は永久歯になると自然に治ることもあるので、
経過観察するとされていました。
しかし、最近の調査研究の結果、永久歯になると自然治癒する確率が
10〜20%であることが判明しました。
逆に言えば、80%以上は自然治癒しません。
つまり、経過観察してはいけないのです。
そこで、乳歯の反対咬合は早期の治療開始が必要なのです。




[咬合育成] 

<3歳〜5歳>
  
・歯間空隙がある(すきっ歯である)
  ・正中が一致
  ・反対咬合がない
  ・オープンバイトがない(前歯が噛み合っている
こと
  ・クロスバイトがない
(交叉咬合でない)
  
欠損歯がない

<6歳〜8歳>
  
・前歯が大き過ぎない
  ・前歯の捻転がない

  ・6歳臼歯が第2乳臼歯の後方に萠出
  ・6歳臼歯が捻転していない
  ・
奥歯の噛み合わせが正常(出っ歯や反対咬合がない)
  ・前歯の被害が正常(反対咬合でない)
  ・オープンバイトがない
(開咬ではない)
  ・乳犬歯が残存している
  ・正中が一致
  ・萠出遅延歯がない

shapeimage_2 のコピーのコピー