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[ビタミンDが乳がんの進行を抑える]
(HealthDay News 2006年10月17日)
早期乳がんの患者では、転移のある進行乳がんの患者よりも血中のビタミンDが高値である
ことが、米国の研究で明らかになった。
ビタミンDは主に魚介・キノコ類に多く含まれ、カルシウム代謝に重要な働きをもつ。
皮膚には生理活性のないプロビタミンDが存在し、紫外線を浴びることによって活性型
ビタミンDに変換される。
ビタミンDが「サンシャイン・ビタミン」と呼ばれるゆえんである。
ビタミンDは腸に作用してカルシウムの吸収を助ける。
ビタミンDとがんの関係を示唆する研究は多く、ビタミンDが細胞分裂に関係する遺伝子の
発現を制御することが分かっている。
また、動物実験でビタミンDが乳がん細胞の増殖を抑制したとの報告がある。
日照時間の少ない地域では、多い地域に比べ血中ビタミンD値が低く、乳がん、前立腺がん、
大腸がんなどの発症率、死亡率が高いことが知られている。
研究では、早期乳がん204人、他の臓器に転移のある進行性乳がん75人についてビタミンDの
血中濃度を測定した。
その結果、早期の乳がん患者は進行性乳がん患者よりも血中ビタミンDが高値で、進行性乳がん
患者のビタミンD値は正常よりもやや低下していた。
進行性乳がんのビタミンDの欠乏が、がんの進行を引き起こした原因なのか、がんの進行で
食事からの摂取や日光の曝露が減ったことによる結果なのかは不明である。
しかし、今回の結果は、ビタミンDが乳がんの進行と何らかの関係があることを示唆している。
研究者らは、「今後、サプリメント(栄養補助食品)の摂取などで血中ビタミンDを正常値に
維持した場合、乳がん患者の予後が改善するか調べたい。ビタミンDは乳がんの安価な予防・
治療法となるかもしれない」と述べている。
http://www.healthdayjapan.com/