三叉神経痛の栄養医学療法
三叉神経痛とは
更新日:2018年11月5日
三叉神経痛の症状
三叉神経痛の治療

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[三叉神経痛とは] 

三叉神経痛とは顔に痛みの出る病気で
顔面に痛みが出るため顔面神経痛という人もいますが、
顔面神経は痛みを伝える神経ではないので、顔面神経痛という
名称は誤りです。

三叉神経の付け根部分、「小脳」と脳幹の「橋」付近で、動脈
硬化を起こすなどして蛇行した動脈によって、三叉神経が圧迫
されることによって発生するケースが多いと言われています
歯科との関連が稀ではないのではないかと考えられ始めています
古くから東洋医学、中国医学でも記述があります。




[三叉神経痛の
疫学] 

50歳〜60歳に多い。
男女比は1:2で女性に多い。

  ・多発性硬化症
  ・虫歯
  ・鼻炎
  ・上顎洞炎(副鼻腔炎)
  ・中耳炎
  ・帯状疱疹
の現病歴や既往歴のある人に発症しやすい傾向があります。




[三叉神経痛の症状] 

数秒〜数十秒の発作性電撃痛です。
脳神経のひとつ
三叉神経の支配領域に一致して電撃痛が起きます
一般的に右か左かの片側性で起こります。
  ・三叉神経
第2枝単独
  第3枝単独
  第2枝第3枝合併
例が多いです
  会話
  ・食事
  ・歯磨き
  ・ひげ剃り
  ・洗顔
  ・化粧
などで誘発されます
発作と発作の間は全く無症状で
痛みの程度には大きな波があり、痛みの頻度が多い時期と、
頻度の少ない時期とがあります
一般的には夏場は頻度が少なくなりますが、個人差があります
但し、睡眠中には発作は起こりません。
睡眠中に発作が起こらない理由として医科は睡眠中の血圧低下を
挙げますし、歯科は咬合(噛み合わせ)悪化からの開放を挙げます。

[三叉神経痛の診断] 

内服薬「カルバマゼピン」を試しに飲んで、症状が楽になる場合は
三叉神経痛の可能性があります
但し、カルバマゼピン(テグレトール)はてんかん治療薬のため、
口腔顔面部の疼痛全てで試してみるわけにはいきません

脳腫瘍や脳梗塞が原因で起こっている三叉神経痛及び類似疼痛も
りますので、MRI診査は受けた方が良いでしょう。
大学病院か総合病院の口腔外科や神経内科、耳鼻咽喉科、脳神経
外科での診察が必要です。
紹介状をお書き致します。




[鑑別すべき疾患] 

2年以内に帯状疱疹の既往があれば、帯状疱疹後三叉神経痛の
可能性がああります。

眼の周囲や奥の激しい痛みを起こすものに群発頭痛があります。
通常、三叉神経痛よりも長く続く痛みです。
三叉神経痛とは逆で男性に多い疾患です。
飲酒で悪化し、酸素吸入で緩和されれば群発頭痛の可能性が
高いです。

鼻炎・鼻閉が片側だけあり、顔面痛の側と一致すれば副鼻腔炎の
可能性があります。

食事時のみの誘発痛であれば顎関節症の可能性があります。
但し、顎関節症に伴う疼痛は、通常電撃痛まで著しくはありません。

歯ぎしりや食いしばりに伴う疼痛も、通常電撃痛まで著しく
ありません。

酸っぱい物で誘発される激痛は舌咽神経痛の可能性がありますが、
極めて稀な疾患です。

[三叉神経痛の西洋医薬治療]  

カルバマゼピン(テグレトール)が三叉神経痛の特効薬とされて
ます
70%〜80%の人で一時的には痛みが消失あるいは改善
します
カルバマゼピンはてんかん治療薬で、神経の伝達を押さえるため、
痛みの伝達も押さえて痛みを軽く
します
発作がなくなるまで増量するのが一般的
な治療法です

カルバマゼピンで効果がない場合、他のてんかん治療薬
である
  ・バルプロ酸ナトリウム(デパケン)
  ・フェニトイン(アレビアチン)
などを試してみる場合があります
鎮静系の脳内伝達物質GABA受容体作動薬のバクロフェンが有効な
こともあ
ります
バクロフェンは著しい吃逆(しゃっくり)でも使用され
る薬剤です
神経痛も吃逆も、脳神経の過活動を抑制することで
治まる
可能性があ
ります

当院では薬物療法を行っておりません。
口腔外科や神経内科、耳鼻咽喉科、脳神経外科へ紹介致します。
紹介状をお書き致します。




[三叉神経痛
の漢方治療

中国医学では、三叉神経痛は
  ・頭風
  ・偏頭痛
  ・面痛
の仲間として治療しているようです。
偏った食事や胃腸が弱って栄養が不足した場合に、発症しやすいと
されています。
医食同源の中国ですので、現代の栄養医学療法に通じるところが
あります。




[三叉神経痛の神経ブロック治療] 

神経ブロックは神経痛などの様々な恒常的な痛みを訴えている
ケースに行なわれます。
専門の麻酔科医師が行います。
ペインクリニックの多くは麻酔科医師が開業しています。
三叉神経痛に対しては、三叉神経ブロックが行われます。
紹介状をお書き致します。




[サイバーナイフやガンマナイフ] 

大学病院での治療です。




[手術] 

脳幹部から三叉神経が出ている部分にアプローチして、神経を
圧迫している血管を見つけ移動して減圧する神経血管減圧術が
行われています。
手術が無効な症例が10〜30%あります。
大学病院や総合病院、脳外科専門病院でしか手術は行われません。
ご希望があれば紹介状をお書き致します。
手術ですから、合併症や術後後遺症は覚悟する必要があります。

<三叉神経−心臓反射>
三叉神経−心臓反射は
三叉神経知覚枝に対する刺激によって
生じる反射であり
主に頭頚部の手術時に生じます。
三叉神経の手術後に心停止する可能性が示唆されました。




[治療法の選択] 

私が仮に発症した場合(患者になった場合)には、もし少量の
薬剤で痛みが止まれば、そのまま薬剤を飲みながら、並行して
栄養医学療法を行うと思います。

大量の薬剤でないと痛みが止まらない場合には、歯科治療を
受けながら並行して栄養療法を行うと思います。
さらには、漢方治療を行うでしょう。

大量の薬剤を飲んでも痛みが止まらない場合には、神経ブロック
治療を受けながら、並行して鍼灸治療を受けると思います。

それらの効果が無かった場合には、サイバーナイフ(放射線
治療)か外科手術かで迷うことになるでしょう。

[寝相と三叉神経痛] 

過半数
の人は横向き寝(横向き寝の時間が長い)をしています。
横向き寝の人のうちの70%〜75%が右下の横向き寝です。
右下の横向き寝は、左下の横向き寝の2.3倍〜3.0倍ということに
なります。

一方、三叉神経痛も右側が多い疾患です。
三叉神経痛と診断されている症例の統計では1.5倍〜2.5倍という
報告があり、2倍という報告が多いようです。

もし、あなたが右側の三叉神経の患者さんで右下の横向き寝
であれば、因果関係がある可能性があり、原因を除去すれば
改善する可能性があります。

逆に、もし、あなたが左側の三叉神経の患者さんで、左下の
横向き寝であれば、因果関係がある可能性があり、原因を除去
すれば改善する可能性があります。


20年以上前に、とある歯科技工士から「入れ歯の人工歯は
右側ばかり減ってしまう」と言われました。
すなわち、右側の歯の方が抜歯に至る割合が多いという事実です。
驚くことにその歯科技工士は、さらに「ドクターが歯科治療を
患者さんの右サイドから行うので、右側の歯をどんどん削って、
削り過ぎてしまうので、右側の歯の方が抜歯に至る割合が多い
のではないかと考えているが、本当か?」と聞いてきました。
素人の患者さんが聞くならば仕方のない質問ですが、歯科の
プロである歯科技工士が聞いてはいけない疑問でしょう。

答えは「右下の横向き寝の人の割合が多いから」です。
歯や顎に加わる外力は顎を変形させ、顎関節症や顔の歪みの
原因になり、歯が喪失する重要な原因になるのです。
硬い歯や骨が変形・喪失するくらいですから、神経や血管が
歪むくらい簡単に起こり得ます。




[咬合(噛み合わせ)と三叉神経痛] 

咬合(噛み合わせ)の悪化により
  ・首の位置がズレる
  ・首が傾く(斜頚)
  ・頭の位置がズレる
ことが多々あります。
頭〜首〜肩の筋肉もズレたり歪んだりします。
それに伴って、首や頭蓋底の血管が歪むことが考えられます。
歪んだ血管が三叉神経を刺激して痛むのが三叉神経痛です。





[若年性三叉神経痛]

若者の三叉神経痛は珍しいですが、10歳代〜20歳代の
三叉神経痛も稀にあるようです。
若年性三叉神経痛には共通点があるそうです。
  ・男性に多い
  ・ドリコフェイシャルパターン
        (顔が長い/口呼吸/アデノイド顔貌)




[虫歯や歯周病と三叉神経痛] 

<歯性病巣感染>
  ・治りきっていない虫歯
  ・再発した虫歯
  ・歯周病
などが原因で「病巣感染」が起こり三叉神経痛が起こることが
あります。



 

[抜歯窩治癒不全と三叉神経痛]
 

抜歯窩治癒不全(症状の有無とは別問題)によって、三叉神経痛を
発症したり、悪化したりすることが報告されています。




[金属アレルギーと三叉神経痛] 

腐食しやすい口腔内の金属や、金属を経口的・経皮的に摂取する
ことで、三叉神経痛を発症したり、悪化したりすることが報告
されています。

[三叉神経痛の栄養医学療法] 

三叉神経の近くを通る血管が蛇行することによって、三叉神経を
圧迫することで三叉神経痛が起こることが多いとされています。
また、セロトニンが不足すると血管が拡張して、三叉神経を圧迫
することで三叉神経痛が起こります。

栄養医学療法によって、血管が正常に戻りまっすぐになり、
セロトニンが増えて血管拡張が落ち着けば、三叉神経痛が改善
する可能性があります。
手術を回避できる可能性があるため、テグレトールが効いている
うちに試してみる価値はあるのではないかと考えています。

三叉神経の50〜80%は脳の血管が蛇行して、三叉神経を圧迫
するのが原因と言われています。
残りの20〜50%は原因不明です。

古くから三叉神経痛に多発性硬化症が合併し、多発性硬化症に
三叉神経痛が合併することが知られています。
多発性硬化症は緯度が高い所、すなわち欧米に多く、緯度が
低い所、赤道付近ではほとんど発症しません。
最近、緯度が高い低いではなくて、栄養素の多い少ないが
多発性硬化症の発症に関係しているのではないかとする見方が
出てきました。

三叉神経痛も多発性硬化症と似たような栄養素の多い少ないが
発症に関係している可能性があります。


そこで当院では、栄養素の過多・過小を採血・血液検査で調べて
栄養状態を改善すれば、一部の三叉神経痛が軽快するか、
軽快しないまでも悪化を防げるのではないかと考えて栄養療法を
行っています。
それによって
  ・薬剤の量を減らすことができる
  ・手術を回避すことができる
可能性があります。

<三叉神経に関係する栄養素>

歪んだ血管が、新陳代謝で作り替えられる時に重要なのが
コラーゲンです。
コラーゲンの合成には、
  ・タンパク質
  ・ビタミンC
  ・鉄
  ・亜鉛
などが必要です。

栄養医学療法 

咬合(噛み合わせ)  

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