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[中国における化学肥料の悪循環]    

(読売新聞  2013年10月16日)



<世界の化学肥料の3分の1を使う中国>
おじさんの笑顔に心が洗われると言うと、少し変に聞こえるかもしれない。
中国の農村部によく取材に出かける。
話を聞く農民たちは、屈託なくニコニコと答えてくれる。
裏表のない顔がとてもいいのだ。


そんな彼らに、取材目的のほか、聞くようにしていることがある。
どれほど化学肥料を使いますか、と。
「どれくらいかな。毎年増えているからね。10年前に比べたら2倍以上かな」
湖北省老河口市の藍国停さん(62)は、そう答えてくれた。
困った顔を期待していたが、やはり満面の笑顔は崩さない。
化学肥料がなければ作物が育たず、「仕方ない」と言う。
その悪気のなさが、使用量の増加に歯止めをなくしている。

統計によると、中国の化学肥料使用量は約5700万トン(2011年)。
1990年に比べると2・2倍になった。
中国の農地は、世界全体からみれば10%にも満たないが、化学肥料の使用量は世界の3分の1に
なる。

こうした化学肥料の使いすぎが、徐々に農地を痛めつけている。
中国東北部の農地は有機質を豊富に含んだ黒土で、有数の穀倉地帯だが、30年前に比べて
有機質の量が31%まで減少した。
80〜100センチあった黒土の厚さも20〜30センチになった。
南部では土壌の酸化、北西部では塩害が深刻化する。



<痩せる農地、忌み嫌われる工場、湖の富栄養化>
共産党機関紙・人民日報でも、農業の専門家が「長期にわたる化学肥料の使いすぎが原因だ」と
分析。
農作物の生産は通常、7〜8割が土、2〜3割が水と肥料に依存するが、中国では土に頼る
割合が5割にまで落ちている。
中国の農地は痩せてしまっているのだ。


化学肥料の使用量が多ければ、工場も多い。
化学肥料工場は、中国では忌み嫌われる存在でもある。

江西省新余市にある村を訪れた時のことだ。
村の隣に化学肥料工場があり、村人たちは工場の排水による被害をしきりに訴える。
村人の余斌さん(29)は、村の養殖池にまで記者を連れていき、「魚を放しても、すぐに死んで
しまうんだよ」と嘆いた。

また、化学肥料漬けになった農地に雨が降り、水が川や湖に流れていけば、富栄養化にもつながる。
2011年の水資源公報は、全国の主要湖103か所のうち71か所が富栄養化していると指摘する。
化学肥料が一因になっているとみられる。


こうしてみてくると、化学肥料の悪循環としか言いようがない。
土地が痩せ、作物が育ちにくくなり、使用量を増やしてきた。
更に生産の際にも、使用後にも環境汚染を引き起こす。
負の連鎖を断ち切ろうにも、中国は13・5億人が食べていく必要がある。
改善の糸口がつかみにくい。



<有機肥料切り替えには手間やコスト>
農業や農村の問題に詳しい華東理工大学の曹錦清教授を訪ね、解決法を聞いてみた。
「とても深刻だ。農民も土地が痩せているのは分かっている」と顔をしかめ、「化学肥料の
乱用を抑え、有機肥料に切り替えるしかないが、手間やコストがかかる。政府の支援が必要だ」
と話した。

土壌を元に戻すためには、地道な努力しかない。

中国でも化学肥料を使わない有機野菜が人気になっている。
上海市内の大きなスーパーには、有機野菜のコーナーもある。
普通の野菜よりも高いが、買い物に出かけ、思わず手が出るのは有機野菜になる。

そんな時、農家のおじさんたちの笑顔がよぎり、複雑な気持ちになる。



(読売新聞上海支局 鈴木隆弘)



http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131016-00010001-yomonline-asia    











 

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