お袋の場合

お袋は、
祖父が早世するまでは裕福な家庭で育ちました。
お袋は歳が離れた末っ子で、
長女とは17歳差、次女とは15歳差でした。

子どもの好き嫌いが形成される幼稚園児の頃、
長女と次女の嫁入りが相次いで決まりました。

祖母はいつもお袋の目の前にいました。
しかし、
祖母の目には
嫁入り準備中の長女と次女しか映っていませんでした。



お袋の偉いところは、
好き嫌いをかかえながらも
栄養学を学び栄養士の資格を取ったことです。
そして家族のために、
自分が食べられない料理を作り続けたのです。

自分の作った料理の中に、
自分が食べられない食材が少ない時には、
その食材を除けて食べました。
自分の作った料理の中に、
自分が食べられない食材が多い時には、
自分が食べられるが栄養学的には劣っている
もう１品を作りました。
もう１品を作る気力が無い時には
缶詰めを開けるのでした。
我が家には缶詰めのストックがかなりありました。
それは自然災害に備えるためではなくて、
お袋の栄養的災害に備えるためでした。


前出の同級生Ｏ君が遊びに来ると、
Ｏ君とお袋との間で偏食談義に花が咲きます。
ある時はどちらが好き嫌いが多いかで盛り上がり、
ある時はどちらが食べられる食材が多いかで盛り上がるのです。

「偏食を改善する取り組み」

「偏食（好き嫌い）目次」

「偏食を改善する取り組み（２）」

「栄養素不足のパターン」

「母親との楽しい食体験不足のパターン」

「妊産婦歯科（目次）」

「小児歯科（目次）」