咀嚼筋 腱・腱膜過形成

咀嚼筋 腱・腱膜過形成・・・・・口が開かない

エラが張っていて口が開きにくい人は、
一般的な顎関節症ではなくて、
「咀嚼筋 腱・腱膜過形成」のことがあります

顎関節症と異なり、
徐々に口が開きにくくなるのが特徴です。


腱とは、
解剖学において
骨格筋が骨に付着する部分の
筋肉主体部寄りにある結合組織のひとつで

骨と骨とを結合させているものは靱帯といいます
代表的な腱はアキレス腱で、大きさも最大で


咀嚼筋には開口筋と閉口筋とがあります
代表的な閉口筋は「咬筋」と「側頭筋」で

咬筋と側頭筋の腱や腱膜が過形成されると、
筋肉の可動域が狭くなるため
(筋肉が充分に伸びないため)
口が開かなくなります


予備軍は相当数いると推定されています

指3本(人さし指・中指・薬指)が
縦に楽に入るのが正常で、
入らない人は、
顎関節周囲に何らかの問題がああります

・自覚症状のない顎関節症(関節円板の位置異常)
・顎関節周囲の骨の形態が標準形ではない
・咀嚼筋 腱・腱膜過形成
などが考えられます

歯科治療の際に、
「もっと大きく口を開けてください」と何度も言われる人は、
この予備軍で

治療

咀嚼筋 腱・腱膜過形成が進行すると、
指2本(人さし指・中指)が入らなくなり、
日常生活に支障をきたします
にぎり寿司が食べられなくなります

この場合には、手術が必要で
腱や腱膜を切除し、
場合によっては周囲の骨を除去します

鑑別

咀嚼筋 腱・腱膜過形成は
通常ゆっくり進行しますが
顎関節症(関節円板の位置異常)も
併発している場合、
急激に口が開かなくなる
「クローズドロック」になることがあります

顎関節症だけでクローズドロックになった場合には、
クローズドロック・マニピュレーション(理学療法)
・「クローズドロック対策トレーニング

  特に、重症な場合には、
顎関節の手術


一方、
咀嚼筋 腱・腱膜過形成と顎関節症との併発の
クローズドロックの場合には
クローズドロック・マニピュレーション(理学療法)
・「クローズドロック対策トレーニング

特に、重症な場合には、
咀嚼筋 腱・腱膜過形成の手術


しかし、
これまで咀嚼筋 腱・腱膜過形成の概念がなかったため、
咀嚼筋 腱・腱膜過形成の患者さんに対しても
顎関節の手術が行われていて、
当然手術の効果が低いことがあったと
考えられています