[スリープスプリントの有効性]
無呼吸(apnea index:AI):口、鼻の気流が10秒以上停止すること。 低呼吸 (hypopnea index:HI):10秒以上換気量が50%以上 低下すること。 無呼吸・低呼吸指数 (AHI):1時間あたりの無呼吸と低呼吸を 合わせたもの。 睡眠時無呼吸症候群(SAS): AHI が5以上、且つ日中の過眠などの 症候を伴うとき。
<症例> 大学教授(71歳♂)
過去に、自動車運転中に居眠りをして事故を起こしました。 幸いにも小さな事故で済んだそうです。
獨協医大病院にて中等度の睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断され、 CPAP使用開始。
しかし、徐々に面倒になってきたのと、あまり症状(日中の眠気)の 改善が感じられないため、CPAP使用頻度が減少します。
獨協医大病院の担当医の許可を得て、当院にてスリープスプリントを 作製しました。
教授は、スリープスプリントの効果を確認するため呼吸音を ICレコーダーで録音しました。 それをパソコンの波形分析ソフトで波形化。 無呼吸(apnea index:AI)を手作業で数えたのが次の表です。 AIの大きい順にソートしてあります。 白色はスリープスプリント無し。 黄色はスリープスプリント有り。
最上段の 無呼吸(apnea index:AI)12.34は、 低呼吸 (HI)も 同程度と考えると、合計= 無呼吸・低呼吸指数 (AHI)は24.7で、 やはり中等度の睡眠時無呼吸症候群(SAS)となり、獨協医大病院 での診断と一致します。
平均すれば、 黄色のスリープスプリント有りが良好な値を示して います。
黄色での大きな数値は、口呼吸用の穴を開けなかったために、 大きく開口して口呼吸をしているのではないかと、教授本人が分析 しています。
大きく開口すると、下顎が後退してしまい、スプリント無しの状態に なってしまいます。
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