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[妊娠糖尿病と歯周病との関係]
妊娠糖尿病と歯周病との関係
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妊娠糖尿病による ・好中球(白血球/免疫細胞)の機能低下 ・歯周組織(歯根膜繊維芽細胞)の機能低下 ・歯周組織への最終糖化産物(AGE)の沈着 などによって 歯周組織(歯肉や歯槽骨)が破壊されて、 歯周病が進行しやすくなります。
妊娠糖尿病の原因としては、 ・ホルモンバランスの変化 ・脂肪細胞の増加 などによって インスリン抵抗性が高くなるためと考えられています。
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[赤ちゃんに悪影響ばかり! 自覚がないから怖い妊娠中の歯周病] (Itmama 2014年6月25日)
歯周病は全身のさまざまな疾患に関与していることが 近年の研究で明らかになってきましたが、 なかでも妊娠している女性が歯周病に罹患している場合、 低体重児および早産の危険度が高くなることが指摘されています。 日本臨床歯周病学会のサイトによると、 その危険率は実に7倍にものぼるといわれています。 これは喫煙や飲酒、高齢出産よりもはるかに高く、 注意すべきリスクなのです……!
早産や低出生体重児として生まれた赤ちゃんは、 感染による抵抗力が弱く、 いろんな病気にかかりやすくなります。
妊娠中はさまざまな感染病に注意をしなければいけませんが、 歯周病もその中のひとつです。
歯周病と早産・低体重児出産の関連について、 サンスター株式会社の『Mouth&Body PLAZA』には、 次のように書かれています。 「重い歯周病になると、歯周組織で起こった炎症により 血液を通して炎症物質が徐々に全身に広がります。 細胞から炎症性の物質(サイトカイン)がつくられると、 子宮収縮物質(プロスタグランジンE2)の再生が促進、 子宮収縮と子宮頚部の拡張を引き起こして 早産になると言われています」
これを読むと、歯周病がいかに危険な病気か、 よくわかりませんか?
タバコやアルコールを摂取しないように気を配るだけでなく、 歯の健康状態にも十分気を付けておきたいですね。
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[歯周病菌 全身に影響? 「口の中だけ」と思ったら大間違い] (読売新聞2001年11月26日)
歯を支える組織(歯肉)に炎症を起こす歯周病は、 歯周病菌が引き起こす感染症だ。 この病原体を私たちは軽く考えがちだが、 歯だけでなく、 さまざまな全身の病気と関連している可能性が 最近の研究で浮かび上がってきた。
東京都内の総合病院で昨年夏、 20代のA子さんが3人目の子を出産した。 妊娠8か月半での誕生で、上の子たちも早産だった。
念のために、本人の承諾を得て破水の際に羊水を採取。 調べてみると「フゾバクテリウム・ヌクレアチム」という 細菌が見つかった。
この細菌は通常、歯垢に住んでいる。 なぜ羊水にいるのか。 A子さんはこの間、歯周病にかかっていた。 調査した鴨井久一教授は、 「羊水の菌が歯垢でも見つかった。 菌が早産の引き金になった可能性はある。」とみる。
歯周病菌と出産。 一見無関係に見える両者を結びつけるこんな仮説もある。
歯周組織で繁殖した歯周病菌は、 やがて血液で運ばれて羊水の中に入る。 免疫細胞が菌を攻撃するが、 その際、さまざまな生理活性物質が放出される。 それら物質の中には 子宮内で羊水とともに胎児を包んでいる膜(羊膜)を 傷つけるものもあり、 最終的に早産につながるという考えだ。
また、そうした活性物質の一種、 プロスタグランジンE2(PGE2)などは 子宮の収縮を促進するよう働き、 それが陣痛を早めるとの説もある。
米ノースカロライナ大学チームの研究では、 歯周病のない妊娠の早産は6%だが、 歯周病があって妊娠中に悪化した妊婦では43%まで跳ね上がった。
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「最終糖化産物(AGE)とは」
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