特殊な歯周病 

浸襲性歯周炎(若年性歯周炎)  

侵襲性歯周炎(若年性歯周炎)の主な原因細菌は、アグリゲイティ
バクター・アクチノミセテムコミタンスです。
旧学名は、アクチノバシラス・アクチノミセテムコミタンスと
言います。
テレビドラマ「古畑任三郎」シーズン3・第4話「古畑、歯医者へ
行く〜アリバイの死角〜」において、大地真央さん演じる歯科医師
(犯人)に旧学名のアクチノバシラス・アクチノミセテムコミタンスを
教わり、古畑が覚えるシーンがあります。

アクチノミセテムコミタンスは白血球に対する毒性を示しますが、
感染している人全員が重度の歯周病を発症するとは限りません。
また、亜型(血清型)の違いだけでも侵襲性歯周炎を説明できません。
確かに侵襲性歯周炎は親子で発症する例を見かけますが、一方で
兄弟姉妹で発症・未発症の異なることが少なくなく、単純な遺伝
だけでは説明できません。
ですから
難病情報センターに掲載されているわけです。

侵襲性歯周炎は、1番(中切歯)と6番(第1大臼歯)から始まり、
そこだけの限局的に留まるパターンと、その後全顎的に広がる
パターンとがあります。
これは2番(側切歯)が生える7歳以前に、アクチノミセテム
コミタンスに対する抗体が産生されるか、産生されないかで説明
されています。

亜型(血清型)の違いよって抗体産生がしやすい、しにくいと
考えることもできますが、それだと兄弟姉妹で発症・未発症の異なる
場合を説明できません。
それよりは宿主(患者さん)の免疫力の強弱で考える方が、しっくり
きます。

抗体のうちIgGは胎盤を通過します。
新生児の獲得免疫(先天性免疫)は、このIgGによります。
IgG濃度は出生後徐々に低下し、3〜4か月で最低になり、6か月
以降上昇に転じ10歳で成人値に達します。
IgAは胎盤を通過しないため出生時は低値で、4歳で1/2レベル、
10歳で成人値に達します。
IgMも胎盤を通過しないため出生時は低値で、6〜7歳で成人値に
達します。
これらの抗体産生能力の上昇が遅い場合に、侵襲性歯周炎を発症
しやすいことが想像されます。

壊死性潰瘍性歯肉炎/歯周炎] 

症状として、歯肉上に偽膜の形成潰瘍の形成、歯肉組織の壊死
疼痛口臭などです。
急激に発症することが多く、大学の講義では「急性壊死性潰瘍性
歯肉炎/歯周炎習いましたが、その後、慢性に経過する場合も
あるために名称が変更されました

偽膜(白い膜)剥がれやすく、取れてしまうと潰瘍部が露出
するため、歯肉から出血します。
歯ブラシは痛くて使用できません。
痛みで食事ができないこともあります。
重症になると、炎症が周囲組織に波及し、発熱、頭痛、倦怠感
などの症状が現れるます

元々歯肉炎や歯周炎があって、さらに疲労栄養障害などの全身的
要因が加わって発症する考えられています。
栄養状態を改善しない場合には、再発する可能性が高くなります。

妊娠性歯肉炎  

妊娠性歯肉炎は、ホルモン関連性歯肉炎です。
易出血性の歯肉炎が特徴です。
歯肉溝(歯周ポケット)内の滲出液中に女性ホルモンが
増えると、女性ホルモンを栄養源とする細菌(プレボテラ・
インターメディア)が爆発的に増加します。
プレボテラ・インターメディア産生する内毒素や酵素が歯肉を
破壊し炎症を引き起こします。
尚、プレボテラ・インターメディアを含む黒色集落形成嫌気性
桿菌の多くは女性ホルモンの他にビタミンK3(メナジオン)を
必要とします。

歯周病

特殊な歯周病 

薬剤性の歯周炎 

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歯周病は前癌病変 

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