[口腔関連疾患と 栄養・咬合・機能]
口腔関連疾患は ・「力の側面」 ・「機能の側面」 ・「感染症の側面」 ・「栄養の側面」 の混合疾患です。
<力の側面> 虫歯や歯周病の初発部位や進行部位は、 必ず噛み合わせ(咬合)が関係しています。 通常は、強く接触する歯が虫歯になりやすい 傾向があり、歯周病が進行しやすい傾向に あります。 また、奥歯の強く接触する歯を避けるように 無意識に噛み方を調整して、前歯が強く接触して しまい、前歯が虫歯になることも少なくありません。
さらに、間違った身体の使い方、誤った身体の 使い方のイメージによって、噛み合わせが悪化 したり、顎関節症になったり、万年の肩こりを 訴えたりすることがあります。
<機能の側面> 片側噛みをすると、噛み癖側の顔の長さが縮む ことは有名です。 このことを専門に研究している歯科医師によれば、 口元に左右差が生じるのに平均3年、目元に 左右差が生じるのに平均8年かかるそうです。 何らかの理由で噛み癖側が左右逆転し4〜5年 経過すると、口元は新しい噛み癖側が縮みますが、 目元は昔の噛み癖側がまだ縮んでいるので、 平行四辺形の顔になるそうです。
頬杖や横向き寝が原因で顎関節症を発症することは 少なくありません。
<感染症の側面> 虫歯や歯周病などは大なり小なり細菌感染が関係 しています。 虫歯原因菌であったり、歯周病原因菌であったり、 口臭原因菌であったりです。
虫歯の原因は、ミュータンス菌ではなくて歯周病 原因菌であるとする考え方があります。 大きな虫歯ができた歯は、最も多く歯石がついて いたり、最も歯周病が進行していることが多いのは 確かです。
虫歯の原因は、歯周病の原因もミュータンス菌では なくてカンジダ菌(真菌・カビ)であるとする 考え方もあります。 虫歯の中の菌を調べるとミュータンス菌より カンジダ菌が多く検出されるそうです。 カンジダ菌の治療(抗真菌薬)によって歯周病が 改善する人もいることは確かです。
<栄養の側面> 昔ながらの生活スタイルを守っている民族 (いわゆる先住民)は虫歯や歯周病が極めて少なく、 歯並びも良いことが多いのは何故でしょうか? たとえ昔ながらの食事が軟らかい食べ物である 民族においても虫歯や歯周病が極めて少なく、 歯並びも良いのです。
民族独自のビタミンやミネラルが豊富な食事を 摂る工夫やビタミンやミネラルを喪失しない伝承が 歯や歯周組織、歯列や顎を守っているのです。 ・口臭 ・ドライマウス口腔乾燥症 ・唾液過多症 ・舌痛症 ・味覚障害 など栄養療法で改善する疾患が多くあります。
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