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[“肉食の人”で心臓病になりやすい理由が判明―米研究] (あなたの健康百科 2013年6月18日)<赤身肉+腸内悪玉菌が動脈硬化を引き起こす>牛、豚、羊などの赤身肉は、魚や白身肉(鶏、七面鳥など)と比べて心臓病や動脈硬化、脳卒中といった心血管病になりやすいことが指摘されているが、その理由の一端が明らかになったようだ。米クリーブランド・クリニック細胞・分子医学部門の Robert A. Koeth氏らは、菜食主義でない人の腸内には、赤身肉に多く含まれている成分「L-カルニチン」を変化させ、動脈硬化を促進させる悪玉菌がいると、英医学誌「Nature Medicine」5月号(2013; 19: 576-585)に報告した。動脈硬化は心筋梗塞や脳卒中を引き起こす原因とされている。<菜食主義者と比較>赤身肉を食べる人が心血管病になりやすいのは、脂肪やコレステロールが原因になっていると思われがちだが、これまでの研究から、これらの要因を取り除いても赤身肉を食べる人では心血管病による死亡リスクが上昇すると報告されている。Koeth氏らは、赤身肉(特にヤギ、羊、牛、鹿)に多く含まれており、脂肪燃焼効果などをうたっているL-カルニチンのサプリメント(栄養補助食品)を、菜食主義でない人、菜食主義の人、完全菜食主義の人(ビーガン)に服用させて血液検査をしたところ、菜食主義でない人の血液中には動脈硬化を促進する「トリメチルアミン-N-オキシド」という物質が多くなっていることが判明。便を調べると、菜食主義でない人と2つの菜食主義者とでは腸内細菌の構成が大きく違うことも分かった。また同氏らは、心臓の機能検査を受けた2,595人の血液検査をした結果、L-カルニチン値自体と心血管病との関連は認められなかったが、L-カルニチン値とトリメチルアミン-N-オキシド値が両方高いことは、心血管病や心血管病による死亡と関連していると報告した。さらに、マウスに一定期間、L-カルニチンを含む餌を与え続けたところ、盲腸内の細菌の構成に変化が起き、トリメチルアミン-N-オキシドの生成が促進され、動脈硬化が進むリスクが2倍になることが分かった。しかし、抗生物質を与えると、L-カルニチンによる動脈硬化の進展は認められなくなったという。<サプリメント取る人でも要注意>今回の結果について、共同研究者で同部門のStanley L. Hazen部長は「人によっては、腸内細菌叢の構成が食事内容と同じように重要となるかもしれない。細菌は食品からさまざまな分子を作り出し、その分子が代謝過程に大きく影響する可能性がある」とコメント。菜食主義でない人でトリメチルアミン-N-オキシドが多くなった理由として、「おそらく、肉を日常的に食べることで、L-カルニチンをトリメチルアミン-N-オキシドに変化させる細菌が増えるのだろう」と考察している。米ペンシルベニア大学予防心血管医学のDaniel Rader部長は「今回の研究から、L-カルニチンを取ると腸内細菌の働きによって心血管病になるリスクが増えるという極めて説得力のある知見が得られた」と述べている。さらに「今回の知見は、肉を好む人だけでなく、L-カルニチンのサプリメントを取っている人も注意する必要があることを示している。現在、脂肪燃焼や減量効果、運動機能向上効果をうたったL-カルニチンのサプリメントが販売されているが、こうした効能に明確な根拠はなく、摂取の必要性は定かではない」と指摘している。http://kenko100.jp/news/13/06/18/02
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