0003 みのもんた症候群とドライマウス口腔乾燥症
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いくつかの学会でも「みのもんた症候群」という疾患名(?)が市民権を得つつあるようです。
みのもんた症候群とは、番組で紹介された物を摂取する事で逆に健康を損なう可能性が あるものも存在していたにも関わらず、番組情報を鵜呑みにする現象を言います。(Wikipedia)
代表的なものとして、水の飲み過ぎ問題があります。 たしかに高齢者は多かれ少なかれ脱水状態の傾向にあるので、水分の補給は大切です。
ドライマウス口腔乾燥症(仮性唾液過多症も含む)の高齢患者さんを検査しますと、 脱水が認められることが多く、これでは唾液が出なくても仕方がないと思うことがほとんどです。
しかし、水分を体内に保つためには、タンパク質やミネラルが必要です。 タンパク質やミネラルを補給しないで、水分だけ摂取すれば、すぐに尿として出てしまいます。 頻尿・多尿です。
尿を出すということは体温を維持する(高める)働きもあります。 寒い冬にトイレが近くなるのは、汗をかかない分だけ尿量が増えるというよりは、体温を維持 するためです。
みのもんた症候群で水を飲み過ぎて夜間頻尿になり、頻尿治療薬や睡眠薬を飲むように なったのでは本末転倒です。 薬が増えれば増えれるだけ、副作用も増えるからです。
ほとんどの薬は、唾液分泌量を減少させます。 ドライマウス口腔乾燥症の改善のためにと水を飲み過ぎると、薬が増えて、結果的に ドライマウス口腔乾燥症が悪化してしまうことがあるのです。
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「目次」
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